Kenneth E. Boulding : THE ECONOMICS OF THE COMING SPACESHIP EARTH, 1966
要約その2
【9】エントロピーの概念を通してシステムの性質を考察する
物質的システム(1)エントロピー的 : 濃縮された物質を拡散させる
物質的システム(2)非エントロピー的 : 拡散された物質を濃縮させる
物質的エントロピーの減少は補われる必要がある
閉じられたシステム
物質的エントロピーの増大も減少もないシステム
消費に由来する出力が生産のための入力になる
【10】地球外からのエネルギー入力に目を向ける
化石燃料によるエネルギー入力は残り少ない
原子力エネルギーによって根本的な変革が得られるわけではない
太陽エネルギーの利用による進歩の可能性
人工有機体による太陽エネルギーの効率的変換の可能性
【11】社会システムと文化の関係性に注目する
社会のシステムと文化には退化した例がある
社会の発展における社会システムと文化の関係は謎だが
・・・文化に余裕を持たせることが重要なのではないか
固定化されたパターン・活動からの分岐/離脱を許容する余裕
【12】カウボーイ経済とは
従来の開かれた経済:カウボーイ経済
消費するのはよいこと
消費は生産を呼ぶ
経済成長は「生産要素」による仕事量をもって測る
未来の閉じられた経済:宇宙飛行士経済
地球を1機の宇宙船と考える
宇宙船の貯蔵庫は有限である
【13】宇宙飛行士経済とは
仕事量を最小に押さえる
経済成長の本質的な基準は自然・拡がり・質・総資本の複雑さ
従来のように生産・消費がすべてではない
総資本のシステムには人間の身体と精神の状態が含まれる
【14】人間の身体・精神と経済
人間の健康/幸福/快適な生活はストックか、フローか
経済的な幸福は衣食住の充実をも含むか
ある程度の状態を維持できる範囲であれば消費が少ないほど暮らし向きはよい
【15】経済学者が無視してきた問題
変動への欲求
生産・消費・仕事量・GNP以外の基準を考える
人間は一定の状態を維持したいと思わない
選択肢の要求
【16】子孫に対して何をするべきか
個人の利益(?)を保護する考え方は不合理である
子孫への幸福/福祉を最大に
空間的な共同体だけではなく、時間的な共同体として
共同体の問題から個人の関係性へ
2009-04-24 環境経済政策論(倉阪秀史 先生)